
まちづくり活動グループが活動を進めるにあたって生じた課題や悩み、またそれを解決してゆくためにどのような取り組みをしたのかなどを、その他の多くのグループに役立ててもらえるよう「まちづくり活動知恵袋」としてまとめました。内容は平成17年度の中間発表会で、ファンド助成グループが話し合った内容です。
- 行政や学校と民間(市民活動グループ)がうまくつながる方法は?
- 開発業者や行政と連携をとるためのコツは?
- 地域の方との関わりあい方と連携をとるコツは?
- 人の集め方やPR方法は?
- 主体の参加者を増やすためのコツは?
- 活動するコアメンバーの集め方は?
- コミュニケーションツールとしてホームページやインターネットは有効?
- 活動のモチベーションを下げない方法は?
行政や学校と民間(市民活動グループ)がうまくつながる方法は?
いきなりではなく、ルートを考えた上で行動をとることも大切
- 学校は、地域のコミュニティさえきちんとあれば話ができる。例えば、その学校の卒業生のルートで学校とのつながりをもつ方法もある。
- 行政は、突然話を持っていくのではなく、誰かに話しを通してもらった上で行くとスムーズにいく場合がある。例えば活動助成グループの場合は、トラストまちづくり課に調整を依頼する方法もある。
開発業者や行政と連携をとるためのコツは?
全てを反対するよりも、一度受容し、交渉をすることから始める
- ただ反対するのではなく、決定した事実については一度受容し、では、「どの点については譲れないのか」、という条件を提示して交渉をしていくという方法がよいのではないか。
具体的な反対意見よりも社会性のあるメッセージを伝えることも大切
- 行政に先んじ、社会性のあるメッセージ(例えば、環境破壊など)を提示していく。ただ主観的に意見を述べるのではなく、もう一歩上のレベルに立ち、全体として社会性や公共性をもったメッセージを伝えることが大切なのではないか。
地域の代弁者となることから始める
- 桜並木など、区の所管のものを対象に活動をする場合は、定期的に区と話し合う機会をもつことが大切。日頃の活動で地域の意見を集約し、連携をとることにより、住民の代弁者としての役割を担えるので、行政への意思疎通が図れる。
地域の方との関わりあい方と連携をとるコツは?
まめになること
- オープンなイベント時には、新しい参加者には、必ずコメント(お礼の言葉など)をつけて返している。まずは、まめにポスティングすることを心がけている。
参加してもらうばかりでなく、地域の行事に参加をしてみる
- 町会との連携は大切で、「私たちの活動に参加してほしい」と訴えるばかりでなく、町会主催の行事にも参加すると、そこに自然と交流が生まれ、こちらの活動にも理解を示してくれるようになる。
やはり、町会は地域活動をする上で大切
- 地域活動をするのには、やはり大切なのは町会だと思う。町会の防犯パトロールなどで地域活動に参加し、信頼を得て、そこから地域エリアへと広がり、さらに学校との連携にもつながる場合もあるのではないか。
人の集め方やPR方法は?
声かけのルートを考える
- 声のかけ方やルートを考えることも大切。学校に声をかけるなら、校長先生へ話が通じるルートを考えたり、区管轄の施設ならば、最初にどこへ声をかけるのがよいかなど考えることも大切。
参加を求めるばかりでなく、地域の行事に参加する
- まずは、会の存在を知ってもらうために、地域の行事に参加をする。
ITを活用する
- ホームページで発信することも有効。
日々の活動から認知される
- 小学校や保育園が公園をグラウンドとして利用しているので、活動中によく彼らと顔を会わせることがある。そこに自然と交流が生まれ、地域に認知されていく。
主体の参加者を増やすためのコツは?
まめにお知らせをする
- 行事を開催する時は、必ず決められた箇所にポスターを張ったり、メーリングリストでお知らせをすること。
- イベント時には、チラシを作成し、町内会の回覧板やメンバーの手配りなどで宣伝。
活動内容の工夫
- リピーターを増やすために、企画内容を詰める。会主催のイベントに参加してくれたことで、次にまた別のイベントにも来てくれることがある。まずは、1回参加してもらうことが大切。
活動するコアメンバーの集め方は?
単発イベントへの参加はあるが、日常の地味な活動をするメンバーが増えないという悩みについて
一本釣りもよい方法
- イベント参加者にアンケート(サポーターカード)をする。「どの程度ならできるか」、「どういうことならできるか」という質問事項を入れておき、いざという時は一本釣りをする。
どの地域でも共通の悩み、「これ!」という特効薬はない
- いつの時代もどの地域でも共通の悩みで、「これ」という特効薬はない。単発イベントは盛り上がり、協力者もいるが、継続する活動となると“資金”も“人材”も集めることは難しい。それぞれの地域で、知恵を絞って、その地域ならではの工夫をしていくしかないだろう。
何らかの方法で、役割を決めてしまう
- 学校にお願いして、学校行事の役割分担表((例)運動会時の交通整理など役割が振り分けられるシステムがある)に組み込んでしまう。きっかけはどうであれ、そこから広がるかもしれない。
会員自らが楽しむこと
- 小学校の総合的な学習の時間では、生徒たちと給食をとりながら楽しく交流ができた。活動に会員自身が楽しめる要素があると、イベント集客はしやすいということもある。
コミュニケーションツールとしてホームページやインターネットは有効?
顔を会わせることが基本です!
- インターネットは、全国から情報や知恵をもらえるが、仲間づくりという点では、やはり顔を会わせるのが基本だと思う。
でも、若者層や会社員には、ネットは必要かな・・・
- 忙しく働いている世代は、定期的に集まることが難しく、インターネットをよく活用する。実際、日本全国に友達ができている。
- 若い世代にはWEB媒体抜きでのネットワーク作りは難しいと思う。例えば、地域交流、環境などのカテゴリーに分けたポータルサイト※で、ゲストティーチャーを探したり、参加する子どもを募ったり・・・という検索ができるととても便利だ。
※インターネットでウェブページを見る際に、最初に入るウェブサイト。
紙媒体も大切です!
- 関心がない人に活動をアピールするには、地域に住んでいるということだけで情報が入ってくる仕組みが大切だ。そのような意味で、紙媒体の情報発信はやはり必要だろう。
活動のモチベーションを下げない方法は?
無理をしない
- 決して無理をしない。会員を増やすことのみに注力し過ぎるのではなく、自発的に参加してくれる人を待つこともよい方法である。
- イベントを、毎年必ず開催すると思うとつらくなる。隔年でもよいのだし、無理せずやりたい気持ちが出たときに実施するくらいの気楽さも大事。