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近代建築悉皆(しっかい)調査

調査

近代建築悉皆調査

世田谷区内に現存する歴史的文化遺産のなかでも、明治から昭和20年までに建てられた近代建築やその環境は、現在の世田谷の町並みをつくりあげてきた地域の記憶であり、その時代の文化や生活、そして、まちの歩みを感じることのできる“世田谷の歴史的風景遺産”とも呼べるものです。

平成19年3月までの調査状況区内の近代建築については、世田谷区教育委員会により、昭和57年~60年に区内の全域調査が行われ、1,745棟の近代建築が確認されました。世田谷区が行った調査から20年経った平成13年、建造物がその後どうなったのかを確認するとともに、近代建築を取り巻く屋敷環境も含めて調べ直すため、近代建築ボランティアの協力を得て、悉皆調査を開始しました。そして、平成21年3月18日に、世田谷区内全域の調査が終了しました。
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調査実績
調査年度 地区数 調査終了地区
平成13年度 3 成城、駒沢公園、砧公園
平成14年度 6 駒沢、代沢、羽根木、北沢、喜多見、上祖師谷
平成15年度 12 池尻、桜、経堂、奥沢、玉川田園調布、上野毛、
玉川台、桜新町、宇奈根、鎌田、砧、南烏山
平成16年度 11 宮坂、上馬、中町、上用賀、祖師谷、千歳台、
船橋、岡本、大蔵、上北沢、粕谷
平成17年度 8 三宿、世田谷、桜丘、代田、梅丘、玉川、瀬田、深沢
平成18年度 7 太子堂、若林、弦巻、大原、松原、等々力、北烏山
平成19年度 7 三軒茶屋、下馬、豪徳寺、赤堤、桜上水、東玉川、八幡山
平成20年度 7 野沢、玉堤、尾山台、野毛、用賀、新町、給田
合計 61  

「悉皆(しっかい)調査」
悉皆調査とは、調査対象の母集団のすべてに対し行う調査のことで全数調査ともいわれます。この場合、建造物を1軒1軒くまなく見て周り、近代建築に該当する建造物を拾い上げる調査のことを指します。

悉皆調査

世田谷区教育委員会が行った調査で確認された1,745棟のうち、すでに1,341棟が取り壊され、404棟が現存するのみでした。しかし、今回の調査で、新たに1,463棟の近代建築が確認されました。

また、これまでの調査から、区内における宅地化の進み方や、地域によって和風、洋風、和洋折衷など、建造物の特徴に違いが見られることがわかってきました。

近代建築の普及啓発と世田谷区関連部署への情報提供

下馬S邸これら確認されている近代建築の多くは、所有者の方の意思に左右されるため、いつまでも残されるとは限りません。

所有者の方にその価値を認識していただくことが最も大切です。このため、世田谷の近代建築の特徴をよく示している建造物の普及啓発を進めています。また、保存状態が特に良好な建造物について、「国の登録文化財」もしくは「世田谷区の有形文化財」などの文化財指定に向け、世田谷区教育委員会文化財係へ情報提供を行い、保存の取り組みを進めています。

これまでの調査で新たに確認された下馬のS邸や桜のI邸などは、所有者の方の理解も得られ、国の登録文化財に指定されました。

今後の活動

世田谷トラストまちづくりでは、これまでの近代建築悉皆調査の取りまとめを進めています。また、これまでに調査が完了した地区については、近代建築保全ボランティアと協力して継続的な調査を行い、データの更新を図っています。

さらに、世田谷区教育委員会をはじめ、関連部署や関連団体等と連携を図りながら、世田谷の近代建築の収集した情報の活用に向けた活動に取り組んでいきます。

情報をお寄せください

近代建築悉皆調査は、町内をくまなく歩き、調査を行っていますが、調査から漏れている建造物が全く無いとは限りません。みなさんのお住まいの地域で、「近代建築ではないか?」と思われる建造物がありましたら、是非情報をお寄せください。

問合せ 近代建築担当 電話:03-6379-1620
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