平成29年度 世田谷まちづくり交流会 活動の”つながり”をひもとく
開催日時:2017年11月11日(土) 13:30~16:50
開催場所:三茶しゃれなあどホール5階オリオン(世田谷区太子堂2-16-7)
参加者数:66名
世田谷まちづくり交流会は、公益信託世田谷まちづくりファンドの助成団体のほか、まちづくり活動を進めている人や関心のある人たちの『出会い』と『学び』の場として開催しています。今年度は「活動の“つながり”をひもとく」をテーマに、多様な主体と連携しながら活動を発展させている方々を迎えてのパネルディスカッション、班に分かれてのグループワークおよびフリー交流タイムという三部構成のプログラムで行いました。

第一部は、「まちづくり実践者に聞く~“つながり”がもたらすもの」と題し、それぞれ違った“つながり”を持つ3団体にお越しいただきました。
・野川(世田谷区部) の多自然川づくりを考える連絡会(以下『野川』)
野川流域で活動している4つの団体(野鳥ボランティア、喜多見ポンポコ会議、野川とハケの森の会、せたがや野川の会)が野川の河床掘削工事を契機に平成21年から連携し、勉強会の開催や行政への提案、雨水貯留の普及活動などの取り組みを行っている。専門家と連携したこともあって、工事について、多自然川づくりを取り入れた施工方法に修正された。
・NPO法人芦花公園花の丘友の会(以下『花の丘』)
都立芦花公園を拠点に、学校や町会、商店会などに協力をいただきながら、花づくりやトンボ池、毎月開催しているイベントなどを運営している。都立公園の中に池を作り、ログハウスを建て、焼き芋大会を開くなど、本来都立公園では不可能と思われていたことを関係所管と協議を重ね実践してきた。
・(一社)街の木ものづくりネットワーク(以下『マチモノ』)
街で伐られた木を回収、木材化して資源として活かし、街に戻す取り組みを個人の活動から始め、2013年に団体を設立。毎月のイベントなどを通じてその活動は共感を呼び、メンバーの数や活動の規模も年毎に大きくなっている。今年11月に社団法人化し、新たなスタートを切った。

パネルディスカッションは、場所づくり研究所 (有)プレイスの宮地 成子さんにコーディネーターを務めていただきました。3団体の自己紹介ののち、それぞれの団体の“つながり”の特徴から、『どういうところとどうつながっているか』や『つながった先との関係づくりの工夫』などについて、コーディネーターから質問があり、ヒントやコツを伺いました。
ここでは、3団体のお話について、一部をご紹介いたします。
野川:今田 裕実子さん
(4団体がつながった理由、つながって良かったこと)
活動フィールドが同じで何となく顔見知りだったし、また、東京都の野川流域連絡会などでも会ってはいたので、1団体でやるよりは、みんなで勉強しませんかということで、まず勉強会の企画段階から話を始めました。関係部署に話や相談をするのに、電話やメールで済ますのではなく、実際に訪問することを心掛けたからかもしれませんが、住民の意見ということでとりあえず話を聞いてくれたのは良かったです。行政も当初はあまり環境のことは考えていないようでしたが、専門家の話も聞いてくれるようになったので、訴えた価値はありました。

(4団体としてまとめる工夫)
それぞれの団体の活動の切り口は、野鳥とか水生生物とかで微妙に違うのだけれど、川の下流から現に工事が進み、時間的に制限があったので、違いはありながらも、走りながら問題点を見つけて話し合いをしてきたというのが実情です。ただ、それぞれの団体が一番大事にしている領域においては、そこの団体にある程度お任せして主導権をとってもらうとスムーズにいくということはあります。また、4団体全体では非常に大人数になるので、クッション的というか、人間関係の潤滑油となるような人が中に入ってくれると、連携が長く続くと思います。
花の丘:田瀬 裕水さん
(都立公園内に池を作り、建物を建て、焼き芋大会で火を使うことができる。そこまで東京都に信頼されている理由)
最初、公園が木ばかりのうっそうとした公園になるというときに黙って見ていられなかったのがきっかけで、花いっぱいの明るい公園にしたいといって関係部署に何度も顔を出すことで段々つながっていきました。まずは足を運ぶことが大事です。また、相手が役人だからといって下に媚びるのではなく、対等の気持ちで接し、相談したりされたりしてきたのが良かったのだと思います。

(環境学習の授業など、小学校の協力者の広げ方)
トンボ池をつくるときには、近くの小学校の全校生徒約2,700名にちらしを配りました。そうしたら170名の参加があったので、大事なのはPRすることだと思います。花壇も、花の丘の会員も年を取ってきて、苗や種を花壇に植えるのが大変だからということで小学校に依頼したら校長先生がぜひやらせてほしいと言ってきました。学校の近くで、他にないくらい規模の大きい花壇で、しかも自由に使えるというのが学校にとっても良かったのだと思います。
マチモノ:湧口 善之さん
(樹木のオーナーや行政からの伐採の情報をどうやってキャッチして、活動につなげているのか)
活動の初期の段階のときは、まちの中を意識して歩くことで、情報を集めてきました。最初は大きなイベントはできなかったので、小さいワークショップから始め、まずは活動を知ってもらいました。最近では、イベントで知り合った人や知人からの情報や相談が元になって話が動く案件が多くなっています。

(イベントや法人化でのパーティーなど、オーナーなどの協力者や関係者に対するおもてなしの心に感心するが、どういう思いでやっているのか)
田瀬さんの話を聞いて思ったのですが、「対等」ということがヒントになると思います。僕らもまちづくり交流会などを通じて活動の諸先輩らと出会うことができましたが、下から媚びるのでは良くなくて、大事で好きな人だからと思うと、自然とそうなってきます。仕事でも同じで、下からではなくて、一緒に楽しいことをする、ということを考えています。お互いの思いが違うこともあるが、一緒にやれることを探しましょうと提案していると、そのうち相手が大事な人間になってきます。
その後、パネリストから他のパネリストへの質問や、メッセージなどのやりとりのあと、コーディネーターが、
- 普段の“つながり”が大事、それがあることで相談や問題解決へと進む。
- ちょっとしたことでも話してみる。それが新たな“つながり”を生む。
- 住民が一枚岩、ひとつの塊になることが強さになる。それは、要求するときだけでなく行動するときに力を発揮する。
- いろいろなことをやるときに、対等の立場で、一緒に良いまちにしていこうという方向を向いて取り組むことが良い“つながり”になる。
とパネルディスカッションをまとめて、第一部は終了しました。

第二部は、第一部のパネリストも加わって「わたしたちの“つながり”の可能性を探ろう!」と題したグループワークを実施しました。進行役は、第一部に引き続き、宮地成子さんです。
12の班に分かれて、自分たちの団体が「つながっているところ」「これからつながりたいところ」を模造紙に書き込み、可視化することを通して、“つながり”の可能性について新たな「気づき」を得る、そういう時間を参加者で過ごしました。
各班のグループワークの成果は、以下のとおりです。
第三部のフリー交流タイムでは、グループワークでの話の続きをしたり、興味のある団体に話を聞きにいったりするなど、参加者同士が積極的に交流を深めている姿が見られました。
13:30に始まったまちづくり交流会は、盛況の中、16:50にすべてのプログラムを終了しました。今回の交流会での“つながり”が、まちづくり活動の新たな発展を生むきっかけのひとつになれば幸いです。
開催ちらしはこちらからご覧ください。
| お問い合わせ | 世田谷まちづくり交流会担当 電話番号:03-6379-1621 |
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