岡本静嘉堂緑地

調査対象地区の樹林地の状況および周辺環境を紹介します。岡本静嘉堂を取り囲む樹林地。かつては岩崎家の庭園として管理されていた緑地であるが、現在はほとんど人の手が加わらず、アラカシ、シラカシ、スダジイ、マテバシイなどの常緑樹林を主構成とした樹林地となっている。

調査区の南西端には小面積ながら草地の「バッタ広場」が位置している。また、南側斜面には数カ所から湧水が湧出し、小さな流れを形成している。調査ルートに設定された樹林地は「生物の森」として一般の立ち入りは制限されている。緑地の南側に沿って丸子川が流れており、並行して比較的交通量のある道路が位置している。

当緑地の周辺には「瀬田四丁目広場:旧小坂邸」や岡本公園、民家園など比較的まとまりのある緑地が位置し、取り囲む住宅地も緑の多い宅地である。また、南西には畑地が点在している。

岡本静嘉堂へのエントランス道路 堂緑地の北側斜面
岡本静嘉堂へのエントランス道路(2002年5月撮影)
高木のケヤキなどのほか、シラカシ、スダジイなどの常緑広葉樹が林地を形成している。
堂緑地の北側斜面(2004年4月撮影)
緑地に沿って水路(循環水路)が位置しており、湿性植物が植栽されている。また緑地の北側および東側には谷戸沢が流れ、南東端で丸子川と合流している。
「生物の森」上空を覆う樹冠 緑地の南側斜面
「生物の森」上空を覆う樹冠(2002年4月撮影)
生物の森の上空は、常緑広葉樹の樹冠によって鬱閉しており、日中でも林内は薄暗い。高木層、低木層の植生密度は高いが、日射量不足のため、草本層は貧弱で裸地化している斜面も多く見られる。
緑地の南側斜面(2004年4月撮影)
緑地に沿って丸子川と比較的交通量の多い都道が位置している。南側斜面には湧水が数カ所見られ、その流れは丸子川に注がれている。

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