水生生物調査 湧水地の環境の概要
| 調査地 | 確認種数 | 環境 | 主な確認種 | 特記 | 考察 | 備考（※1） |
| M-1 | 16種 | アオキ等の低木とセキショウが繁茂し、水面が見えない状態。 | ヒガシカワトンボ サワガニ ヤマトクロスジヘビトンボ |
ヒガシカワトンボを確認。フトヒゲカクツツトビケラ,ミヤマシマトビケラ属の1種など、ヤドカリのように巣を持ち歩くトビケラ類を多く確認。 | セキショウを間引き、ため池の復活を試みることにより、トンボ類の増加を期待。 | 水温：15.5度 湧水量：0.85l/秒 （※2) |
| M-2 | 25種 | 雑木林の明るい樹林地内の水路 | ホトケドジョウ ゲンジボタル サワガニ オニヤンマ |
調査地点唯一のゲンジボタルとホトケドジョウ(体長5CM）を確認。 | 水温：16.0度 湧水量：0.9l/秒 |
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| R-1 | 17種 | セキショウが繁茂し、斜面林から土砂流入し、池が浅くなっている | プラナリア ヤマトクロスジヘビトンボ オニヤンマ フトヒカゲカクツツトビケラ |
清涼指標のプラナリアを確認。 トビケラ類を多く確認オニヤンマ、ヘビトンボなど大型昆虫を多いことから小型昆虫類が豊富であると推測。 |
湧水量が豊富で、セキショウの間引き、土砂流入の抑止により、ホトケドジョウの生息地として期待できる。 | 水温：16.0度 湧水量：2.1l/秒 |
| R-2 | 20種 | 一面小石の水路。4ヶ所湧き出し口があり、身近に観察できる。子どもの水遊び場でもある。 | サワガニ | かなりの数のサワガニが生息。 | 水温：16.3度 湧水量：2.6l/秒 |
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| O-1 | 17種 | 雑木林の樹林地内にあるが、湧水から下流の池までの水路距離が短い。 | プラナリア サワガニ オニヤンマ |
区内随一の湧水量。 | 水路の距離を長くすることにより、生息個体数の増加が見込まれる。 | 水温：17.2度 湧水量：3.7l/秒 |
| O-2 | 18種 | しみ出し程度の湧水地。 | サワガニ ヤマトクロスジヘビトンボ オニヤンマ コカゲロウ類など小型昆虫 |
しみ出し程度であるが、大蔵三丁目公園より生息主数が多い。落ち葉が厚く堆積し、小石層もあるため、水生生物の生息空間としては良好な状態。 | 少しでも恒常的に流れがある環境と落ち葉、植生、多孔質な空間があれば、水生生物の環境として確保されることが証明された。 | 水温：16.5度 湧水量：0.05l/秒 |
| S-1 | 20種 | 斜面の下より広い範囲で湧出。一般立入禁止地域で、樹林は人手の管理がされないため常緑樹の森になっており、樹冠がうっぺいそているため、湧水周辺に太陽光が差し込まない。 | プラナリア カワニナ サワガニ オニヤンマ カワゲラ類など |
オニヤンマとカワニナの数が多い。平成4年度の調査では、ヤマトシジミが確認されたが、今回の調査では発見できなかった。 | 樹冠を開くことにより、湧水路に太陽光が差し込めば、生息種の増加が期待できる。 | 水温：16.2度 湧水量：0.74l/秒 |
| S-2 | 20種 | 人工水路で、池とやや距離のある水路が連続して設置されている。 | プラナリア カワニナ オニヤンマ ユスリカ類 イトミミズ類 アメリカザリガニ |
清涼な環境の指標となるプラナリアが見られる一方で、比較的汚れた水域に生息するユスリカ類、イトミミズ類を確認。 | 水温：17.0度 湧水量：1.18l/秒 （循環ポンプによる） |
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| St | 15種 | 手水鉢のような小さい池から湧き出している。水路は川底がコンクリートになっている。 | オニヤンマ オオシオカラトンボ ヤマトクロスジヘビトンボ |
水路がコンクリートになっているため、水生生物の生息空間は、水路にたまった落ち葉や枝、泥の中だけ。樹冠は開けているため、トンボ類は多い。瀬田と上野毛自然公園のみオオシオカラトンボが確認。 | コンクリートを剥がし、多様な生息空間を創ることで、トンボ類の種数の増加をはじめ、様々な種の生息が期待できる。 | 水温：15.8度 湧水量：0.25ｌ/秒 |
| K | 17種 | 斜面林の下にあるセキショウが繁茂する泥沼。湧水口は判明できず、数箇所からしみ出している様子。 | カワニナ オニヤンマ オオシオカラトンボ ヤマトクロスジヘビトンボ マメシジミ属の1種 |
全国的に減少している二枚貝（マメシジミ属の1種）が確認された。 | 水温：20.5度 （沼の水温） 湧水量：測定不可能 |
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| T | 20種 | 園路脇のセキショウ群落と以前は釣堀として利用されていた沼地。 | プラナリア カワニナ オニヤンマ 複数のカワゲラ類 ヤマトクロスジヘビトンボ |
カワトビケラ、シマトビケラ類など、トビケラ類が数多く生息。 | 水温：19.5度 湧水量：0.32/秒 |
注1：備考欄の各データは2001年6月調査時のもの
注2：1月調査時のデータ
| M-1 神明の森みつ池（上神明） |
M-2 神明の森みつ池（みつ池） | R-1 林野庁宿舎セキショウ群落の湧水 |
| R-2 林野庁宿舎斜面の湧水 | O-1 大蔵三丁目公園の湧水 | O-2 大蔵水神の祠裏の湧水 |
| S-1 静嘉堂緑地南斜面0の湧水 | S-2 静嘉堂緑地トンボ広場 | St 瀬田四丁目広場の湧水 |
| K 上野毛自然公園の湧水 | Ｔ 等々力渓谷の湧水 |